ただいま、祇園 |京都ゆかりのコラム 1.0

京都ゆかりの人たちの、京都にゆかったコラム。

第1弾は、こ/ことの記事でも登場してくれるモデルのはなさんです。

京都出身の彼女の、京都にゆかったコラムです。

このコラムの著者

こ/ことモデル

はなさん

プロフィール

フリーランスモデルとして日本全国で活動しているはなさん。 クールな表情や無邪気な笑顔など、魅力たっぷりのモデルさんです!

祇園という街 

『祇園』と聞くだけで少し背筋が伸びる。 

京都出身の私でもそう思うのだから、たぶん多くの人にとっては同じなのだろう。 

敷居が高そうで、言葉遣いも服装も、ほんの少し気をつけたくなるような、大人の街のイメージ。 

観光地としての顔もあれば、歴史や格式がそのまま残っている場所でもあって、どこか「慣れてはいけない空気」がある。 

普段は立ち寄ることも少ないのだが、知り合いの知り合いのお店があると聞いて、ひょんなことから連れて行ってもらった。

正直、最初は少し身構えていた。 

でも、扉を開けて中に入った瞬間、その緊張は思ったよりもあっさりほどけた。 

理由はうまく説明できない。 

きれいに整えすぎていない空間とか、 誰のものかわからない本が並んでいる感じとか、 少し生活の匂いが残っている感じとか。 

初めて来たのに、なぜか帰ってきたような感覚になる。   

居心地を作る大きなテーブル 

ご飯は勿論美味しい。

おばんざいとアジア料理がメイン。 

特に焼きそばは絶品だった。おばんざいも安心感が沁みた。 

でも、それ以上に印象に残ったのは、空間と店主の距離感だった。 

お店のど真ん中に大きなテーブルがひとつ。 

その周りをお客さんたちがぐるりと囲む。

まるで、いつかの映画で見たような、親戚の集まりのような光景だ。 

知らない人同士なのに、初めて会ったような気がしなくなる。 

事前に会話が始まる。無理に話しかけるわけでもなく、かといって沈黙が気まずいわけでもない。 

誰かの会話を、少しだけ横で聞いて、そこにふっと言葉を挟むこともできる。 

心地いい距離感を大きなテーブルが作っている。 

私はこのお店の、このテーブルが本当に好きだ。 

同い年の店主 

そういえば、店主は、実は私と同い年らしい。 

そう聞いて、少し驚いた。 

落ち着き方というか、場の預かり方というか、とても同い年とは思えない貫禄がある。 

キッチンでテキパキ料理を作っていたかと思えば 

ふいにテーブル席にいて昭和歌謡を口ずさんでいたりする。 

それが不思議とこの空間によく馴染む。 

気づけばお店の中は、どこかスナックみたいな空気を帯びていて、それもまた居心地がいい。  

みんなでセロリを剥く夜  

あるとき、なぜかみんなでセロリを剥いたことがある。 

店主が仕込みをしていて、それを見ていた誰かが手伝い出して、気づけばお店にいたみんなの手にセロリが渡っていた。 

お店で、知らない人と一緒に野菜を剥くなんて、 普通ならちょっと不思議な光景だと思う。 

だけど、むしろ、こういう時間こそが似合う場所だと思った。 

その感じが、実家っぽい となんとなく思った。

祇園で迎える年末と年始  

そういえば、年末年始も、 なぜかここに来たいと思って、ふらっと足を運んでいた。 

あの大きなテーブルをみんなで囲んで、 お酒を飲んで、お雑煮を食べる。 

特別なことは何もしていないのに、不思議と落ち着いた。 

たぶん私は、理由がなくても行っていい場所を無意識に探していたのだと思う。 

元気でも、落ち込んでても受け入れてもらえる場所。  

京都という大きいような小さいようなコミュニティ  

京都は、不思議な街だと思う。 

どこかで誰かとつながっていて、 知らない場所なのに、知っている人に会いそうな気がする。 

街全体が大きなコミュニティのようだ。 

碁盤の目のように整った道は、 縦と横のつながりを象徴しているようにも感じる。 

それは心地よいこともあれば、少し息苦しいと感じることもある。 

良くも悪くも、という言葉がよく似合う。 

京都は、そういう曖昧さをそのまま抱え込んでいる街なのだと思う。

祇園にある暮らしの延長線 

祇園という場所を思うと、今でも少しだけ背筋が伸びる。 

京都出身でも、祇園はどこか「よそ行き」の街だ。 

でも、この場所にいると、その感覚がふっとほどける。 

特別なことが起きるわけじゃない。 

ご飯が美味しくて、空間が心地よくて、店主の距離感がちょうどいい。 

それだけなのに、気づけば長居してしまう。 

そんな場所があることは幸せだなとしみじみ感じる。 

祇園にも、ちゃんと暮らしの延長線がある。 

そう思わせてくれる、ふらっと訪れたい場所に出会えた。 

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