おんなのこ×言葉を描く彼女が、日常を特別に変えるまで |京都ゆかりのコラム 2.0

京都ゆかりの人たちの、京都にゆかったコラム。

第2弾も、こ/ことの記事でも登場してくれるモデルのはなさんです。

京都出身の彼女の、京都にゆかったコラムです。

このコラムの著者

こ/ことモデル

はなさん

プロフィール

フリーランスモデルとして日本全国で活動しているはなさん。 クールな表情や無邪気な笑顔など、魅力たっぷりのモデルさんです!

作品には、その人の世界の見方が出る 

京都出身のイラストレーター”ナカイタマキ”さんの絵を見て、そう感じた。 

イラストレーターのナカイタマキさん (@tamanooekaki

可愛いだけじゃなく記憶に残る絵   

自身の入院経験から生まれた作品 

ナカイタマキさんの作品には、可愛いおんなのこと言葉が登場する。

強い主張でも信仰でもない。ふと目が止まり、あとからふわっと余韻が残る。 

まるで誰かの独り言をたまたま聞いてしまったみたいな、静かな感覚が残る。 

以前、どうして言葉を添えてみようと思ったのかと尋ねたことがある。 

彼女は、こう話してくれた。 

「絵でやっていくには、自分はそこまで上手くないって自覚があったんよ。だから、絵だけじゃ弱いなって思って。何かもう一つ要素を入れたいなって。それで言葉かなって」 

そして、続けてこうも言った。 

「あと自分を持て余しすぎて、とにかく何か吐き出したかったんやと思う(笑)。今もそんな感じで、ずっとブツブツ呟いてる」 

そのブツブツが、絵の横にそっと置かれる言葉になる。叫ぶわけでも、誰かを説得するわけでもなく、ただ、そこにあった感情の温度を、そっと置いていくような言葉だ。 

自身の生活の基準である”りんご”を用いた作品

さりげない出来事を、さりげないまま描きたい 

と彼女は言う。けれど同時に「等身大ってむずいよな」ともこぼす。 

その迷いや揺れがあるからこそ、彼女の作品には余白がある。

見る人が自分の感情を重ねられる余地がちゃんと残されているように感じる。 

発売予定のZINEより

 日常を拾う人 

彼女を見ていて思うのは、単に視野が広いというだけでなく、物事の見方がおもしろい人だと思う。 

面白いと思ったことはすぐメモを取る。いわばナカイタマキ専用のネタ帳だ。話している時にふと「あ、それおもろい」と言ってスマホに打ち込む。 

例えばこんなメモがある 

“爪からセロリ 客席にまな板” 

“自分にテロップがついてるなら、どんなフォントかなどくだらぬ話で酒飲む” 

ふと浮かんだ言葉が短いフレーズになって残されている。 

同じ空間にいて同じ話をしていたはずなのに、「そこを切り取るのか」と驚かされることが何度もある。 

多くの人が聞き流してしまう言葉、通り過ぎてしまう瞬間、空気を彼女は拾う。そしてその小さな引っかかりを、ちゃんと持ち帰る。 

日常のほとんどは名前もつかない出来事でできている。彼女はその名前のない瞬間をも面白がる人なのだ。 

会社員から表現者へ   

ナカイタマキさんは学生の頃から絵は描いていたそうだが、最初からこの道を選んだわけではないそうだ。

新卒で人材系の会社でキャリアカウンセラーや中途採用の支援をし、転職。

IT系の会社では広報やマーケティングに携わっていた。 

酸いも甘いも様々な生き方を味見してきた彼女は、最終的に表現することそのものを仕事にした。

これもまだ食べている最中かもしれないが。 

今は東京に拠点を置きながら創作活動をしている。 

とはいえ一つの場所に留まるタイプではない。 

気づけば色んなコミュニティやイベントに顔を出している。

愛知の岡崎でのワークショップにて 

今までのまっすぐだけではない道のりや、さまざまなコミュニティ、たくさんの「はじめまして」の積み重ねが、彼女の作品に繋がっているのかもしれない。

彼女の経験から生まれる言葉だからこそ、熱を持ち、見る人に温度が伝わるのだろう。 

京都で育った彼女の感性には、どこか静かな間がある。

季節の匂いや、派手ではないけれど確かにある美しさ。

福岡でのイベントにて

そうしたものを当たり前のように吸い込んできた時間が「さりげない出来事を、さりげないまま描きたい」という姿勢につながっているのかもしれない。

東京で活動する今も、その静かな視点は変わらない。

むしろ、せわしない街の中でこそ、彼女の観察はより冴えているようにも思える。 

彼女の絵が残る理由   

彼女の作品は、ただ可愛いだけじゃない。 

どこか現実の延長線にいて、添えられた言葉は見る人の感情を静かに掬い上げる。 

可愛さの奥には、自分の中ではまだ言葉にできないなにかを具現化してくれるような力がある。 

小さな気づきや思い、ちょっとした余韻が心に残るのだろう。 

自分だけでは見逃していたであろう感情が、作品の中で形を成し、私に教えてくれる。 

彼女の作品からも彼女自身からも、日常はもっと面白がれるものだったと思い出す。 

そしてその表現を通して日常の面白がり方を知ることができるのも、彼女の魅力のひとつだ。 

きっと今日もどこかで、彼女は小さな発見をメモしている。 

私の日常にも、まだ気づいていない小さな面白が眠っているだろうか。 

ただいま、祇園 |京都ゆかりのコラム 1.0

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