滋賀県大津市坂本の日吉大社では、10月22日(土)に、煎茶道黄檗売茶流(おうばくばいさりゅう)の家元による献茶祭が行われました!
当日の様子をご紹介します。
来年も同じ時期に開催する予定のため、一度のぞいてみてはいかがでしょう?
日本最古の茶園がある、お茶発祥の地坂本
日吉大社、比叡山延暦寺がある大津市坂本には、日本最古の茶園である「日吉茶園」が現在もあり、”お茶発祥の地”とされています。
日本茶といえば、京都府宇治、静岡県などのイメージが強いですが、実は滋賀県も関わりが深いのです。
お茶が中国から日本に渡ったのは約1200年前であり、当時の唐から、比叡山延暦寺を開山した最澄(さいちょう)がお茶の実を持ち帰ったのがその始まりと言われています。
献茶祭当日は少し曇っていましたが、献茶祭の開始が近づくにつれ、晴れ間が差すように。
樹木に囲まれている日吉大社に日差しが差し込むと、幻想的な景色を見ることができます。
煎茶道黄檗売茶流の献茶祭は毎年10月に開催
今回の献茶祭は、日吉大社の西本宮拝殿に茶席が設けられ、家元はじめ多くの関係者が参加していました。
もちろん、一般の方もその様子を見ることができ、午後にはお茶席で、煎茶や玉露を楽しむこともできます。
毎年10月に、その年に採れた茶葉、地元日吉茶園で摘まれた茶葉で淹れられた玉露が神前に供えられるため、来年はぜひとも献茶祭を覗いみてください!!
煎茶道黄檗売茶流の準師範はドイツ出身
ドイツ出身の茶人である、沢田羽照(うて)さんも、日吉大社の献茶祭でお手前を披露。
玉露の淹れるための、湯を沸かす火の準備など重要な役目でしたが、「人前でお手前を披露するのは、以前は緊張していましたが、今は大丈夫です。でもちょっと動きが堅かったかな。笑」とのこと。
ご本人いわく、小さい頃から人見知りで、なかなか人とお話しするのが苦手だったとのこと。
煎茶道を進む中で、人前でのお手前披露の機会が増え、自分に自信がつき、昔のように人前で緊張したり、人見知りをすることもなくなったとか。
お茶を淹れる時って、周りも静かになるから、すっごい緊張しそう・・・。
お茶を学ぶ中で、思いもよらない力がついたりするんですね!
煎茶道黄檗売茶流の中澤孝典家元が、実際に茶を淹れ、その玉露が神前に供えられます。
黄檗売茶流は、数ある茶道流派の中でもめずらしい「立礼式(りゅうれいしき)」です。
「立礼式」とは、茶道のイメージとして多くの人が持っている、畳の上に正座をするスタイルではなく、椅子とテーブルを使用して行うスタイルのことです。
平成になるタイミングで、これからは正座に慣れていない海外の人も、正座が辛い高齢の方も、お茶を楽しめるようにしなければならないと、「立礼式」へと舵を切られたそうです。
献茶の際には、特製マスクを
献茶祭では、煎茶やお供の和菓子を神前に供えます。
その役目をする方は、水引が飾られたマスクをされていました。
なんか、お年玉のポチ袋みたいな、紙でできたマスク。
すっごいかわいいんです!!
実はこのマスク、感染症対策という訳ではないんです。
神前に供える、茶葉、玉露、お菓子に、人の息がかからないようにするためのもので、昔から使われていたとのこと!
何事にも意味がしっかりとあるんだなと勉強になりました。
沢田羽照さんにインタビュー
沢田さんは、現在、黄檗売茶流の準師範とのことですが、いつ頃入門されたんですか?
お稽古を受け始めたのが、2018年ですね。
最初は、趣味として始めましたが、どんどん夢中になっていって、先生に弟子入りしました!
抹茶の茶道は知っているのですが、煎茶にもこういった流派があるとは知らなかったんですが、沢田さんはどうだったんですか?
私も、抹茶のイメージでした。笑
たまたま、今の先生に出会うタイミングがあって、そこで初めて煎茶道というものに触れました。
入門されて4年ほどたたれて、現在はご自身の教室も持たれていますよね。
そうですね。
教室には、老若男女、いろいろな方が体験、お稽古に来てくださっています。
椅子とテーブルで行う立礼式の黄檗売茶流だからこそ、楽しんでもらえることもあるのかなと思っています。
ちなみに、沢田さんが大好きなのは、夏に楽しむ、氷たっぷりの「冷煎手前」。
たっぷりの氷と玉露で、暑い時期にぴったりの爽やかさです。
献茶祭はもちろん、お茶の体験に行かれてみては?
今回は、毎年10月に滋賀県日吉大社で開催される黄檗売茶流の献茶祭にお邪魔しました。
沢田さんにお話を伺ううちに、実際に自分で淹れた煎茶を飲んでみたいなという気持ちに!
沢田さんの教室の情報は以下の通りです。
教室 | 煎茶道教室「景仙会」 |
住所 | 京都府京都市東山区本町2-69 東山五条パークホームズ1階 |
コース | ・煎茶道教室、定期レッスン ・プライベート茶席体験 ・ティーサロン景仙会 ・うまい!お茶の淹れ方ワークショップ |
TEL | 075-532-5888 |
ウェブサイト | https://kyomi-travel.com/eds/ |