京都発ベンチャー「コスメディ製薬」が“1時間単位の有給制度”を導入!そのウラガワをインタビュー

京都に本社を構える製薬ベンチャー、「コスメディ製薬株式会社」が、2025年8月より新たに『時間単位年次有給休暇制度』を導入しました。

この制度により、従業員が「1時間単位」で年次有給休暇を取得できるようになり、より柔軟な働き方を実現することができるようになったとのこと。

厚生労働省の調査では、全国導入率20%程度のこの制度。

今回、こ/こと編集部では、このニュースを受けて、制度導入に奔走された人事担当者の中村さんにインタビューしてきました!!

コスメディ製薬株式会社について

コスメディ製薬株式会社本社

コスメディ製薬株式会社は、京都薬科大学発の京都を拠点とする製薬ベンチャー。

皮膚から薬剤を吸収させる、「経皮吸収治療」に特化した研究開発を行う企業です。

溶解型マイクロニードル技術を用いた自社商品

特に長さ数百ミクロンの微細な針「マイクロニードル」については、世界初の技術を多く持つパイオニア。

マイクロニードルを医療・医薬分野や化粧品などに広く応用して、事業を展開しています。

現在は注射の代わりにマイクロニードル技術を使った「貼るワクチン」の研究・開発も進めているとのこと。

大学や研究機関とも連携し、経皮吸収治療技術で社会に「やさしい医療」を提供することを経営理念としています。

コスメディ製薬株式会社

代表取締役社長:権 英淑

本社所在地:京都市南区西九条東比永城町75 GRAND KYOTO 3F

ウェブサイト:https://cosmed-pharm.co.jp/

ベンチャーだからこそ挑戦できた制度改革

今回、制度設計を主導された、人事総務部主任の中村さんにお話をうかがいました。

ここと編集部
ここと編集部

中村さんこんにちは。

今回の”1時間単位の有給制度”について、どのような想いで導入することになったのでしょうか?

中村さん
中村さん

こういった制度は、“やりたいけど管理が面倒”という理由で諦めてしまう企業が多いんです。

でも、当社はそこをあえて突破しようと考えました。

従業員一人ひとりの“1時間”を大切にする会社でありたいと思ったんです。

ここと編集部
ここと編集部

制度の設計には、多くの準備と社内調整が必要だったとお聞きしましたが?

中村さん
中村さん

制度の導入には勤怠システムの見直しが欠かせませんでした。

管理部門とITチームが連携し、従業員が使いやすく、かつ会社側も負担が少なくなるよう細かい部分まで設計しました。

また、ベンチャー企業のため、新しい取り組みには積極的な社風。

社内調整もガンガン進めることができました!

“1時間”がもたらす自由と豊かさ

ここと編集部
ここと編集部

新制度の特徴は、日常生活の細かなニーズに柔軟に応えられることですが?

中村さん
中村さん

たとえば、子どもの送り迎えや病院への通院、役所での手続きなど、1時間だけ休みたいというケースは意外と多いです。

これまでなら半日休むしかなかったものを、より使ってもらえるようになりました。

中村さんは、「“たった1時間”があるだけで、その日がまったく違う1日になることもあります」と、制度に込めた思いを語ります。

コスメディ製薬は、若手から子育て世代、介護を担う人まで、年齢も環境もさまざまな従業員が在籍しています。

「すべての従業員が、自分に合った働き方を選べるようにすることが、これからの企業には求められると思っています」と語る中村さん。

2026年度入社から、新卒学生の採用をスタートしたとのことで、より幅広い年代の従業員が働きやすい環境を整備していきたいとのこと。

有給取得率86.6%、育休取得率は男女ともに100%

実はコスメディ製薬、以前から柔軟な働き方の推進に力を入れており、2024年度の有給休暇取得率は86.6%。

これは全国平均(65.3%)を大きく上回る数値です。

また、育児休業に関しては、男女ともに2年連続で取得率100%という実績を誇っています。

中村さん
中村さん

制度を作るだけでは意味がありません。

使いやすく、実際に使ってもらえることが大切です。

ここと編集部
ここと編集部

こういう社内制度は、会社の雰囲気もけっこう重要ですよね。

使いやすい雰囲気づくりとか。

中村さん
中村さん

おっしゃる通りです!!

今後も従業員の声を聞きながら改善していきたいと考えています。

中村さんは、制度を単なる“福利厚生”ではなく、企業文化として根付かせることを重視しているそうです。

「人を大切にする」とは、「時間を大切にする」こと

「働き方改革」という言葉が浸透してきた今、改めて“時間”の価値が見直されています。

忙しい日々の中で、自分のために使える“1時間”があるというのは、とても大きなことです。

従業員には『1時間くらい、自分のために使ってもいい』と思ってもらいたいですし、それを支援できる会社でありたいと思っています。

中村さんのその言葉には、従業員一人ひとりの生活や人生に寄り添いたいという、深い思いが込められていました。

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