2026年9月26日(土)、湖南市にある株式会社シンコーメタリコンで、社員の子どもたちを会社に招き、お父さんやお母さんの働く場所を見学してもらうイベント「こどもさんかんび2026」が開催されました。
今回で3回目を迎えたこの取り組み。
なぜ、会社を挙げて子どもたちを迎えるのでしょうか?
こ/こと編集部では、代表取締役社長の立石豊さんにインタビュー。
イベントを始めたきっかけや、社員とその家族を大切にする会社づくりについて、お話を伺いました。
さらに、今年完成したばかりの新社屋も案内していただきました!
\Pick Up!レポート/
子どもたちが会社を探検!「こどもさんかんび2026」

シンコーメタリコンは、金属などの表面に皮膜を形成する「溶射(ようしゃ)」という技術を専門とする企業です。
普段、子どもたちにとっては少し難しそうに感じる製造業の仕事。

そんな会社を、親子で楽しく知ってもらおうというのが「こどもさんかんび」です。
今年は社員の家族を含め、93名が参加しました。
会場となったのは、2026年5月に完成した新社屋。

子どもたちはオリジナルTシャツを着て、探検マップを手に社内を巡りました。

ほかにも、オリジナルガチャガチャや宝箱のお土産など、子どもたちが楽しめるさまざまな企画が用意されました。

なかでも注目を集めたのが、社員たちによるオリジナルの忍者ショー。
実はこの忍者ショー、ただ子どもたちを楽しませるための余興ではありません。
シンコーメタリコンの専門技術である「溶射」を、子どもたちにも知ってもらうために考えられたものなのです。
「家族にも会社のファンになってほしい」立石社長がイベントを始めた理由

今回で3回目を迎えた「こどもさんかんび」。
そもそも、どのようなきっかけで始まったのでしょうか。
―― このイベントを始められたきっかけを教えてください。

もともとは、兵庫県姫路市にある知り合いの会社が、社員の子どもたちを招くイベントを開催していると聞いたのがきっかけです。コロナ禍の前にその話を聞いて、実際に社員と一緒に見学にも行きました。そこで「これはいいな」と思い、シンコーメタリコンならではの企画を加えて、3年前に始めたんです。

―― 子どもたちに会社を見てもらうことには、どんな想いがあるのでしょうか?

お父さんやお母さんが、どんな場所で、どんな仕事をしているのか。
それを子どもたちに実際に見てもらいたいんです。
それと、シンコーメタリコンがどういう会社なのか、どんな仕事をしているのかも知ってもらいたいですね。
実は、シンコーメタリコンでは以前から、社員の家族を大切にするさまざまな取り組みを続けています。
例えば、社員の誕生日には、立石社長がその社員のご両親に直筆のメッセージカードを送るという、素敵な習慣も。
「息子さんの誕生日、おめでとうございます」
そんなメッセージを、10年以上にわたって送り続けているそうです。

―― 社員本人ではなく、ご両親に送られるんですね。こうした取り組みを続けてこられた背景には、どんな想いがあるのでしょうか?

こうした家族を大切にする経営は、祖父の代から続いているんです。
それを時代に合わせて、少しずつバージョンアップしてきました。
私たちの仕事は、「きつい・汚い・危険」の3Kと呼ばれ、人材の採用が難しい業種です。
だからこそ、社員が働きやすい環境をつくろうと、いろいろなことに取り組んできたんです。
社員だけでなく、その家族にも会社を身近に感じてもらう。
「こどもさんかんび」は、そんなシンコーメタリコンの会社づくりを象徴する取り組みなのかもしれません。
社員が忍者に変身!本気でつくったイベントの舞台裏

今回の「こどもさんかんび」で、特に子どもたちに人気だったという忍者ショー。
驚いたのは、その準備にかけた熱量です。
―― 忍者ショーは、社員の皆さんが出演されたんですよね?

そうなんです。社員が忍者になりました(笑)。
しかも、ただ忍者の格好をするだけではなく、東映太秦映画村まで忍者ショーを見学しに行って、勉強してきたんですよ。
―― 実際に見に行かれたんですか!

そうです。シナリオも自分たちで考えて、練習も3〜4回やりました。
子どもたちに楽しんでもらわないといけませんからね。昔のドリフのコントみたいな要素も入れて、子どもたちが参加できるようにしたんです。実際、忍者が隠れている場所を子どもたちが指さして教えてくれたりして、すごく盛り上がりました。

―― そこまで本格的につくられていたとは驚きです。

忍者の衣装も本格的なものを、甲賀市観光まりづくり協会で借りてきました。
子どもたちにも大好評でしたね。
イベントの企画は、一部の担当者だけで決めるのではなく、実行委員会を中心に、現場の社員からもアイデアを募りながら進めているそうです。
子どもたちを楽しませたいという想いが、社員の皆さんにも広がっていることが伝わってきました。
2026年完成の新社屋を見学!社員の声を取り入れた充実の設備

今回、こ/こと編集部では、2026年5月に完成した新社屋も見学させていただきました。

新社屋には、110名収容の多目的ホール「TATEISHI座」をはじめ、溶射ミュージアムや、社員やお客様が利用できるダイニング、フィットネスジムなど、さまざまな設備が整えられています。


特に印象的だったのが、フィットネスジムです。

トレーニングマシンが並ぶ本格的な空間で、社員の皆さんが気軽に体を動かせるようになっています。
―― 会社の中に、これだけ充実したジムがあるのはすごいですね!

ジムに通っている社員に、どんなマシンがあったら嬉しいか、どんなものが欲しいかを聞いて、それを揃えたんです。
わざわざ外のジムに通わなくても、ここで運動できますからね。思っていた以上に利用率も高いんですよ。
実際にジムを利用していた社員だけでなく、これまで運動習慣がなかった社員も、少しずつ使い始めているそうです。

また、女性更衣室などについても、社員の意見を取り入れながら整備したとのこと。

新しい社屋をつくる際にも、そこで働く人たちの声を大切にしていることが印象に残りました。
「僕も会社に行く!」子どもたちの言葉が教えてくれたこと

最後に伺ったのは、「こどもさんかんび」を開催して感じた手応えと、今後の展望について。
立石社長からは、思わず笑顔になるエピソードを聞くことができました。
―― 実際にイベントを開催して、子どもたちやご家族からはどんな反応がありましたか?

子どもたちには本当に人気で、「来年も行きたい!」という声をたくさんいただいています。
この間、ある社員から聞いたんですが、以前は仕事に出かけるときに「行ってきます」と言うと、子どもが「いってらっしゃい」と答えていたそうなんです。
でも、イベントに参加してからは「僕も行く!」って言うようになったそうで(笑)。
―― それは嬉しいですね!

ほかにも、幼稚園のバスで会社の前を通るときに、「ここでパパが働いてるの!」ってお友達に話してくれる子もいるそうです。
自分のお父さんやお母さんが働いている会社を、子どもたちが自慢してくれる。
嬉しいことですよね。

―― 今後は、どんなイベントにしていきたいと考えていますか?

これからもいろいろな企画を考えて、毎年バージョンアップしていきたいですね。
今回の忍者ショーも、実は「壱の巻」なんです。だから、また続きもやっていきたいと思っています(笑)。
社員の家族が会社を訪れ、仕事を知り、また来たいと思う。そして子どもたちが、自分の親の仕事を誇らしく感じる。
「こどもさんかんび」は、そんな家族と会社のつながりを育む、大切な一日になっているようです。
編集後記

今回の取材で印象的だったのは、立石社長が社員やその家族について、本当に楽しそうに話してくださったこと。
忍者ショーも、新社屋のジムも、社員の家族へのメッセージカードも。

一見すると別々の取り組みですが、そこには働く人を大切にしたいという共通の想いがありました。

子どもたちが「また行きたい!」と思える会社。
そんな会社づくりの姿勢が、とても印象に残る取材でした。
株式会社シンコーメタリコン 基本情報

| 会社名 | 株式会社シンコーメタリコン |
| 住所 | 滋賀県湖南市吉永405番地 |
| 代表者 | 代表取締役 立石 豊 |
| 創業 | 1933年 |
| 事業内容 | 各種金属・セラミックス、サーメットの溶射施工、並びにこれらに付帯関連する一切の業務 |
| 公式HP | https://www.shinco-metalicon.co.jp/ |




