2026年9月21日(月・祝)〜23日(水・祝)の3日間、大津市の商業施設「ブランチ大津京」に、立命館大学食マネジメント学部の学生が運営する期間限定カフェ「Rits cafeteria」がオープンしました。
メニューを考える。価格を決める。お店のコンセプトをつくる。
そして、実際にお客さんを迎える。
中心となったのは、学年も異なる12人の学生たちです。
こ/こと編集部は営業最終日の9月23日にお店を訪問。

店長を務めた食マネジメント学部2回生・河井ゆらさんに、準備から実際の店舗運営まで、やってみたからこそ分かったことを聞きました。
\Pick Up!レポート/
「カフェの学校」で、学生たちが本当にお店を運営

今回の「Rits cafeteria」は、立命館大学食マネジメント学部などが取り組む「カフェの学校」の一環として行われたもの。
飲食店の運営を実際に経験しながら、経営や金融、衛生などについて学ぶ実践型の取り組みで、2026年度で通算5回目を迎えます。
過去にも学生たちは、カフェ経営について学んだうえで、メニュー開発や食材の仕入れ、広報、接客などを自分たちで考え、ブランチ大津京で実際に店舗を運営してきました。

今年の「Rits cafeteria」に集まったのは12人。
同じゼミや同学年の仲間が集まったわけではありません。
大学から案内された募集を見て、「やってみたい」と手を挙げた学生たちです。

今日はよろしくお願いします!
早速ですが、今回の12人は、どういうメンバーなんですか?
大学の同じゼミとか?

全然違うんです。
大学のサイトに今回の企画のお知らせが出て、それを見て「やりたい」と応募した人たちが集まっています。
1回生が7人、2回生が4人、3回生が1人です。

じゃあ、ほとんど初対面からのスタート?

そうなんです。
将来、食に関わる仕事をしたい人もいますし、「とりあえずやってみたい」「実際にお店を運営するってどういうことなんだろう」と興味を持って参加した人もいます。
人をまとめるのは苦手。それでも「店長をやってみよう」と思った

そんな12人をまとめる店長を務めたのが、2回生の河井ゆらさんです。
実は河井さん、もともと人をまとめることが得意だったわけではありません。
むしろ、苦手。
それでも今回、自ら店長という役割に挑戦しました。

河井さんは、どうして今回の企画に参加したんですか?

将来、食に関わる仕事がしたいという夢があります。
それと、今までリーダーになったり、人をまとめたりすることがすごく苦手だったんです。
でも、大学ではいろいろな経験をしてみたいと思っていたので、「ここで店長をやってみよう」と。
将来にもつながる経験になればいいなと思って挑戦しました。

実際に店長をやってみると、どうでした?

すごく大変でした(笑)。
12人ほとんどが初対面なので、最初はどうコミュニケーションを取ればいいのかも分からなくて。
それぞれの意見を聞いて、それをどうまとめたらいいんだろうって。
12人全員が集まれたのも、2、3回くらいしかなかったんです。

大学生12人のスケジュールを合わせるだけでも大変そうです。

そうなんです。それ以外はLINEや電話で話し合っていました。
スイーツやドリンクなど、それぞれ担当も分かれているので、一人ひとりと連絡を取って全体を動かしていかないといけなくて。
「ここまでにお願いします」と期限を決めて伝えることも、最初はすごく難しかったですね。
コンセプトを決めるときも、みんなの意見が違うことがあって。「どうしよう……」って抱え込んでしまうこともありました。
そんなときは副店長に相談して、汗だくになりながら準備しました(笑)。
秋のピクニックをイメージ。メニューも価格も自分たちで考える

準備が始まったのは7月上旬。
そこから約2カ月をかけて、学生たちはカフェを形にしていきました。

お店を訪れてまず目に入るのは、クマをモチーフにしたかわいらしいメニューや装飾。
テーマになっているのは「秋のピクニック」です。

なんでクマなんですか?

9月後半なので、もう夏も終わって秋がやってくる時期ですよね。
そこで、一足先に秋を味わってもらえるようなカフェにしたいという話になりました。「秋のピクニック」にクマさんを少し取り入れようって。
茶色や紅葉のイメージにも合うかなと思って、こういうデザインになりました。

価格も皆さんで決めたんですか?

はい。最近の飲食店のランチセットがどれくらいの価格なのかを調べたり、これまでの「カフェの学校」の価格を参考にしたりしました。
最近の物価も考えながら、大体これくらいかなと。
近江牛を使ったメニューは、食材のことも考えて少し価格を高めに設定しています。

3日間で、どのメニューが人気でした?

お昼の時間帯は、やっぱりランチセットがよく出ました。
デザートも人気でしたね。
「おいしかった」だけじゃない。店を開いて初めて見えたこと

そして迎えた本番。
取材した9月23日は、3日間限定営業の最終日です。
実際にお客さんを迎えてみると、準備しているだけでは分からなかったことが次々と見えてきたといいます。

実際に3日間、お店を営業してみてどうでした?

やってみて初めて分かったことが本当に多かったです。
開店準備にも思っていた以上に時間がかかりましたし、宣伝も頑張っていたんですけど、思うようにいかない部分もありました。

お客さんからは、どんな声がありました?

「おいしかった」と言っていただけたのは、すごく嬉しかったです。
でも、それだけじゃなくて、提供までの時間が長かったり。「冷製のかぼちゃスープなら、ティースプーンより大きいスプーンの方がいいと思います」と教えていただいたこともありました。

実際に提供してみないと気づきにくいですよね。

そうですね。
カトラリーの置き方もそうですし、アレルギー対応もそうでした。
かぼちゃのスープには牛乳を使っていたんですが、乳製品のアレルギーがある方が来られたときに、代わりになるスープを用意できていなくて。
そういうところも、実際に営業したからこそ分かったことだと思います。

3日間しかないから、全部を変えるのは難しいですよね。

そうですね。
メニューそのものを日ごとに変えるのは難しいんですけど、お客さんからいただいた意見を見ながら、できるところは少しずつ改善していきました。
3日間のカフェ運営で得たもの

大学で「食」について学ぶことと、自分たちでお店を開き、お客さんに料理を提供すること。
その間には、想像していた以上にたくさんの“やってみなければ分からないこと”がありました。
12人の意見をまとめる難しさ。
限られた時間で準備を進める大変さ。
価格設定、広報、提供時間、接客、カトラリー、そしてアレルギーへの対応。
どれも、実際のお店では当たり前に考えなければならないことばかりです。

食マネジメント学部では、食を「マネジメント」「カルチャー」「テクノロジー」の3つの観点から学んでいます。
その学びを、実際の店舗という場所で試してみる。
そして、うまくいったことだけではなく、うまくいかなかったことまで持ち帰る。
「Rits cafeteria」の3日間には、教室だけでは得られない学びが詰まっていました。
編集後記
取材中、「大変でした」と笑いながら話してくれた河井さん。
特に印象的だったのは、もともと人をまとめることが苦手だったという彼女が、自ら店長という役割に挑戦していたことでした。
おいしい料理をつくるだけでは、お店は成り立たない。
12人をまとめ、お客さんを迎え、予想していなかった課題に向き合う。
3日間という短い営業期間だからこそ、一つひとつの経験が濃く残ったのではないでしょうか。
河井さんをはじめ、学生の皆さん、本当にお疲れさまでした!
お店のインスタグラムはこちら:@ritscafe2026




