京町家の未来を、住まいづくりの現場から考える。湖都コーポレーションが手がけた「京町家ラボ」

京都のまちなかに今も残る京町家は、長い時間をかけて育まれてきた、京都ならではの住まいのかたちです。

一方で、老朽化や維持管理の難しさから、その数は年々減少しています。

そうした京町家の現状に対し、「壊さず、活かす」という選択肢を、住まいづくりの視点から提示しているのが、株式会社湖都コーポレーションです。

2025年7月、京都市上京区に誕生した「京町家ラボ」は、湖都コーポレーションが企画から設計、施工までを一貫して手がけた京町家再生のモデル拠点。

町家を保存するための施設ではなく、これからも使い続けていくための「実践の場」としてつくられました。

滋賀発の住宅会社・湖都コーポレーションが京町家に向き合う理由

湖都コーポレーションは、滋賀県を拠点に注文住宅やリノベーションを数多く手がけてきた住宅会社です。

地域の風土や暮らしに寄り添った家づくりを大切にし、「長く住み続けられる住まいとは何か」を常に問い続けてきました。

同社が京町家に注目したのは、町家が京都の気候や暮らしに合わせて合理的につくられた住宅である一方、現代の基準では住みにくいと感じられる部分が多くなっている現状があったからです。

湖都コーポレーションはそこに、適切に手を入れれば、今の暮らしにも十分対応できるという可能性を見出しました。

伝統を尊重しながら、現代の住宅性能を備えた町家へ

京町家ラボでは、町家特有の構造や意匠をできる限り残しながら、断熱性や耐震性といった住宅性能を現代水準まで高めています。

見た目の再現だけでなく、実際に暮らすことができる住まいであることを重視している点は、住宅会社である湖都コーポレーションならではの視点です。

水まわりや生活動線も現代の暮らしに合わせて再構築されており、サウナ付きの浴室など、日常に心地よさをもたらす設備も取り入れられています。

内装には日本の伝統色が用いられ、町家らしい落ち着きを保ちながらも、新しさを感じさせる空間に仕上がっています。

「住む」と「商う」を両立する、町家本来の姿を現代に

京町家はもともと、住居と商いが一体となった建築様式を持っていました。

京町家ラボでもその考え方を大切にし、居住空間としてだけでなく、店舗や文化的な活動の拠点としての活用も想定されています。

湖都コーポレーションは、町家を一部の特別な人のための建物にするのではなく、暮らす人、使う人、訪れる人が自然に関われる、開かれた存在として未来につなげたいと考えています。

京町家再生の「ひとつの答え」を示す場所

京町家ラボは、完成した空間を見るだけのモデルハウスではありません。

改修の考え方やプロセス、町家再生に必要な視点を実際に知ることができる場でもあります。

湖都コーポレーションがこれまで培ってきた住まいづくりの知見を、京町家というフィールドでかたちにしたこの場所は、町家に関心のある人にとっても、これからの暮らしを考える人にとっても、多くのヒントを与えてくれます。

京町家ラボ|基本情報

施設名京町家ラボ
所在地〒602-8374
京都府京都市上京区一条通御前通西入西町126
Google Maps
企画・設計・施工株式会社湖都コーポレーション
コンセプト京町家再生モデル、住まい・商いの提案拠点
公式サイトhttps://www.koto-cp.com/
SNShttps://www.instagram.com/koto_renovation/
備考見学は公式サイトから可能
https://www.koto-cp.com/model-house/823/

京町家ラボは、随時見学が可能です。

リノベーションのことで知りたいことや、気になることがあれば、一度京町家ラボに足を運んでみてはいかがでしょうか?

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